定期的に開催している大学の同門下生の演奏会が、
今回は『横浜市イギリス館』で行われました。
このイギリス館は、すぐ隣に「港の見える丘公園」「ローズガーデン」があり、
そのまま山手通りに進むと、「外国人墓地」や様々な「山手西洋館」が並ぶ、
横浜のガイドブックのトップ位置を占める「ド・観光スポット」にあります。
そしてその先に、私たち母校があります。
その為、この「イギリス館」には私たちとり、様々な思い出が詰まっておりまして・・・・。
演奏の世界というのは、当然ながら本番一発勝負の世界です。
筆記試験のように間違えたら消しゴムで消せばいい、ということはできず、
たとえその本番までに、毎日10時間練習を積んでこようが、
本番ただ一回の演奏で、全てが決まってしまいます。
実技試験、オーディション、コンクール、演奏会・・・・。
音楽家はプロフィールを公開する機会が多くありますので、
特に入学試験の実技試験などは、その後の人生にも関わる、恐ろしいほどの緊張感があります。
「普段は弾けている部分だったんです!!!!」と、どんなに泣こうが、叫ぼうが、結果が全て。
結局【本番に、出すべき力を100%出せる事】も、実力のうち、と私は思っています。
出すことのできる人のみが勝てる、厳しい勝負の世界だと思います。
ですので、私たちは日頃から、演奏技術だけではなく、
一瞬でも動揺することが仮にあったとしても(タッチの深さ、音色、重さ、ペダルの感覚、椅子の微妙な高さ等、挙げたらキリがないほどです)、
動揺を演奏に影響させない精神力の強さも、日々積む必要があります。
私たち門下生は、実技試験の前に、よくこのイギリス館で「試演会」を行いました。
実技試験という緊張と恐怖のなかでも、最大限の演奏ができるように、
この場で一度皆の前で演奏をし、本番に備える会なのです。
よく「オリンピックには魔物がいる」と聞きますが、
ステージにも間違いなく潜んでいます。
普段、他の大学のお友達からの遊びのお誘いも我慢して、デートだって我慢して(T_T)、
寝る間も削りながらあんなにも練習を積んでいるのに、
先生や、多くの人の前では、いつも絶対ミスしないようなところで起こってしまうものなんです。
いつも実技試験が一週間後に迫っていたここイギリス館での演奏後は、
(一刻も早く帰宅して練習しないと!)という焦燥感ばかりで、
泣きながら坂を下った思い出があります。
今も当時も、窓から見えるベイブリッジや、ローズガーデンの美しさは変わらないはずですが、
今はやっとその景色を堪能できる余裕ができたように思えます。
あの頃から、随分遠くに来たなぁと思います。
(あっ!しまった!
自称「卒業後まだ5年しか経ってないの❤」でした!!)
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