きっとこの歌詞、メロディは、誰もが一度は歌ったことがあることと思います。
今も昔も、中学2年生の教科書に載っている、必須学習曲になっている『夏の思い出』ですね。
この曲を作曲された「中田喜直先生」について、ご紹介したいと思います。
他にも『めだかの学校』「雪の降る街を』『小さい秋見つけた』などが有名ですね。
実は、この中田先生とは、私、多くのご縁がございまして・・・・。
前回のブログに紹介しました母校で、中田先生の授業を受けておりました。
中田先生は私の母校の教授(その後、名誉教授に就任)でいらっしゃったのです。
中田先生と言えば、「大の嫌煙家」というのが有名な話。
授業の半分以上が、「タバコの害について」だったのです!
そして単位取得のためには必ず迎える筆記テスト。
先生の著書を何冊も読み、勉強して臨んだテスト。
その問題も、またもや「タバコの害について」が実に8割だったのです・・・・・!
大学では、私は単に多くの学生の中の一人として、授業を受けさせていただいただけですが、
卒業後、中田先生が会長を務められていた「日本童謡協会」のお仕事に携わるご縁があり、
中田先生が行かれる神戸や鳥取などに同行させていただく機会が度々ありました。
新幹線での移動では、他のスタッフは皆さんスモーカーの為、喫煙車両。
先生と私のみ、禁煙車両。
先生も、私が、ご自身が教鞭をとられていた大学の教え子だということで、
どこか「身内」のような安心を感じてくださったようで、
とても気さくに様々なお話をしてくださり、大変贅沢な時間を過ごさせていただきました。
その時のエピソードをご紹介しますね。
中田先生は、この『夏の思い出』を作曲された当時、まだ一度も実際には「尾瀬」に行かれたことがなかったそうです。
私が思わず「えー!行かれていないのに、あのような素敵な曲をイメージで作られたんですかー!?」と、若さの勢いで失礼な質問をしてしまいましたところ、先生はこうおっしゃいました。
「じゃあ、あなたは、推理小説を書くのに、いちいち、人を殺すのかい?」
他にも「あなたは今、生徒さんのレッスンもしてるでしょう?僕はもう死んでいると思われているんじゃないかなー?どう?」と^^;→(ここでさすがに「ええ、まぁ・・」とも言えず(笑))
「教科書に載っていると、もう死んでると思われちゃってね。講演とかに行くと、
「中田喜直って、生きてたのー?!」って、すごく驚かれるんだよ」
と茶目っ気たっぷりのお顔で、笑われていました。
ご病気をされ、手術後にご一緒した時には、すっかりお痩せになられ、
ホームで新幹線を待っている時、楽譜のたくさん入ったおカバンが大変重そうでしたので、
「先生、私がお持ちします」と持って差し上げたときに触れた御手が、大変冷たく、(早く新幹線到着して!)と心で叫んだことを思い出します。
そして2000年5月3日、中田先生は昇天されたことを、
奥様の幸子先生(同大学の先輩)の事務所の関係スタッフから聞かされました。
中田先生とは、まだまだ多くのお話をしましたが、それは私の心の中で、
大切な思い出として、秘めておきたいと思います。
夏が来れば思い出す・・・・・
中田先生との大切な思い出。
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